top of page

紙ものは本当に不要なのか。


「紙のメディアは、今後無くなると思いますか?」

「カタログをデジタル化しようと思うんですが、どう思いますか?」


近年のデジタル化に伴い、最近このような質問や相談をクライアントの方からよく受けるようになりました。

既存のカタログやパンフレットなどのデジタル化について検討されている方も多いのではないかと思います。


デジタル化についての相談があった際、Ckd Creative Studioでは、その媒体の事業が会社においてどの程度の比重か(メイン事業なのか、サブ的な事業なのか)、どういった内容で、その媒体が顧客に対してどのような役割を担っているかなどを踏まえて判断しています。単純にコスト面だけの観点からデジタル化をしてしまうと、これまで築いてきた顧客との繋がりを失ってしまうことになり兼ねないからです。


やはり、紙ものには紙ものの、デジタルにはデジタルの、良さと役割があります。

一概にはいえませんが、情報は、更新がしやすく低コストで広く配布可能なデジタル媒体、世界観を伝えたり顧客との結びつきをつくるには紙媒体が適していると考えています。

視覚だけを使うデジタル媒体に対し、紙媒体は、紙の手触りやめくる音など、視覚以外に、触覚、嗅覚、聴覚を使い、人は無意識にそれらから多くの情報を得ています。感覚と感情は密接なため、ブランドの世界観や想いなどをのせるツールとして、紙媒体は最適であると言えます。また手元に残るという点も長所といえます。


Ckdでは、販促物を手がける際、“何が最も適しているか、効果的であるか”という点を考え、媒体の種類や仕様を提案しています。もし紙媒体、例えばブランドブックなどを制作する場合は、ブランドの魅力や世界観を伝えるには、どういった紙で、どのような印刷や加工が良いかというふうに仕様を決めていきます。


Prince Hotel Shinagawa Pamphlet / A Wonderful First stitch のコンセプトにもとづき、布のような紙にミシン綴じでステッチを施した


これから先、紙媒体は少なくなっていき、10年後には、逆に雑誌などは希少価値が付いてくるのではないかと、私は考えています。デジタルへの移行で、紙媒体自体の数が減少するというのもありますが、それに伴い、特殊紙など資材の製造の減少や糸かがりなどの製本技術の衰退により、これまでのようにつくることが難しくなっていき、紙媒体は貴重になってゆくのではないでしょうか。


だからこそ、繋がりが希薄になりがちなデジタル社会において、紙媒体は効果を発揮します。

一昔前のように、好きなブランドのカタログやDMを大切に取っておく、そんな時代がまた巡ってくるのではないかと思っています。

Back to List
bottom of page