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Director's Note

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24/10/19

コミュニケーションが生まれる店舗づくり

Ckd Creative Studio で店内装飾を手がけた「博多豚そば 月や」が、西梅田にオープンしました。 大阪発出店となります。 ご存知の方も多いと思いますが、「月や」の店内には白雪姫のアートがメインで飾られていて、福岡空港店では、両サイドに空港に関する海外のグラフィックが飾られているなど、他のラーメン店とは異なる装いとなっています。 今回 クライアントより「西梅田店は大阪初出店となるので福岡にまつわるものを飾りたい」とご依頼がありました。県外から見た「福岡らしいもの」というと山笠や博多織、明太子...それらをモチーフにしたイラストや写真なども考えましたが、どれもベタで、クライアントが思い描いている「月やブランド」のイメージとかけ離れてくる... 色々と思案し、 最終的に「めんたいロック」の時代に活躍していたバンドのレコードジャケットをご提案することとしました。「めんたいロック」とは、1970年代〜80年代、福岡の「親不孝通り」を中心に起こったロック・ムーブメントで、「シーナ&ロケッツ」や「The Rockers」などもそれにあたります。「 THE ROOSTERS 」 や 「 THE MODS 」 は今でもカルト的な人気があるバンドです。 まずは、レコードジャケットの装飾が著作権の問題がないかを専門機関へ確認。そして、 レコードジャケットは、各バンドからグラフィカルなデザインのものをセレクトし、額縁と合わせてご提案しました。 現在、 「博多豚そば 月や 西梅田店」の店内には、 「めんたいロック」のレコードジャケットの装飾が並び、BGMには、「めんたいロック」のアーティストの音楽が流れています。 先日、来店されたお客様がお連れの女性にレコードジャケットを見ながら説明をされていたそうです。その他にもお客様から月やのスタッフへレコードジャケットについて声をかけられ 「めんたいロック」の話に広がったりといったこともあるようです。 お客様とのコミュニケーションが生まれる、店舗づくりに大切な要素だと思っています。 クライアントからも装飾のご提案について、 格好良い!と気に入っていただき、 お客様との会話が生まれることにも喜んでいただいています。 博多豚そば 月や 西梅田店 大阪府大阪市北区曾根崎新地2-1-17 Instagram https://www.instagram.com/butasoba.tsukiya_umeda/ 月や 公式サイト https://tsuki-ya.net/

24/8/17

目的を定めた施策により、新たな需要と売上を獲得

昨年、 クライアント より「宴会の予約を取っていきたいのでオフィシャルサイトに宴会の 情報を載せたい 」とご相談を受けました。 クライアントは、レストラン、カフェ、その他の複合施設を運営しており、 オフィシャルサイトはCkd Creative Studioで制作しています。今回、この「レストラン」の新たな需要として、宴会予約を獲得していきたいというもの でした 。 ご相談をいただいた時点では、まだ宴会予約を獲得するためのコース料理やプラン内容など具体的な内容が 決まっていなかったため 、現状の把握や見込み需要についてなどマーケティング部分から行なっていきました。 周辺施設の休業に伴い宴会の問い合わせが来て おり 、医療関係の会合や企業の奨励会と 宴会 などの要望がある。しかしながら、情報を掲載しているツールがなく店舗側から案内がうまくできていない、またそれに伴い宴会のご担当者が社内提案ができないといった状態でした。 今回オフィシャルサイトに新たに設置する宴会ページの目的は、宴会予約を獲得する、つまりレストランの宴会の売上をアップするというものであるため、宴会ページは、オフィシャルサイトのデザインなどは踏襲しつつも、ほかページと変え、「ウリ」の強いページ、つまり販促ページとして制作することとしました。 まず、ターゲットを宴会担当者とし、どのような視点で会場を選出し、どのようなポイントで会場を決定するのかという点に重きを置きました。上役も来る宴会の会場と料理を決めるのですから、宴会担当者は責任重大です。宴会担当者が、どういった情報が必要か、どのような説明が 欲しい かを考察し、宴会ページを構成、店内や料理ついての説明文をライティング。すぐに予約できるよう動線を設けました。 写真も元々レストランの店内写真を転用する予定でしたが、宴会用に数パターンのテーブルセッティングをし、店内の雰囲気がわかるよう様々な角度から撮影するようクライアントへご提案し、撮影いただきました。 昨年冬、今年の春と宴会シーズンを迎え、動向をクライアントへお伺いしたところ、宴会予約は増え、売上は当初の2倍になったとのこと。嬉しいお声をいただきました。 今回制作したのは、宴会ページ1ページのみですが、このようにしっかりと目的を定め、潜在需要を掴み、販促ツールへ落とし込むことで、新たな需要と売上を獲得することが 可能となります。

24/7/28

紙ものは本当に不要なのか。

「紙のメディアは、今後無くなると思いますか?」 「カタログをデジタル化しようと思うんですが、どう思いますか?」 近年のデジタル化に伴い、最近このような質問や相談をクライアントの方からよく受けるようになりました。 既存のカタログやパンフレットなどの デジタル化について検討されている方も多いのではないかと思います。 デジタル化についての相談があった際、 Ckd Creative Studioでは、 その媒体の事業が会社においてどの程度の比重か(メイン事業なのか、サブ的な事業なのか)、どういった内容で、その媒体が顧客に対してどのような役割を担っているかなどを踏まえて判断しています。単純にコスト面だけの観点から デジタル化をしてしまうと、これまで築いてきた顧客との繋がりを失ってしまうことになり兼ねないからです。 やはり、紙ものには紙ものの、デジタルにはデジタルの、良さと役割があります。 一概にはいえませんが、情報は、更新がしやすく低コストで広く配布可能なデジタル媒体、世界観を伝えたり顧客との結びつきをつくるには紙媒体が適していると考えています。 視覚だけを使うデジタル媒体に対し、紙媒体は、紙の手触りやめくる音など、視覚以外に、触覚、嗅覚、聴覚を使い、人は無意識にそれらから多くの情報を得ています。感覚と感情は密接なため、ブランドの世界観や想いなどをのせるツールとして、紙媒体は最適であると言えます。また手元に残るという点も長所といえます。 Ckdでは、販促物を手がける際、“何が最も適しているか、効果的であるか”という点を考え、媒体の種類や仕様を提案しています。もし紙媒体、例えばブランドブックなどを制作する場合は、ブランドの魅力や世界観を伝えるには、どういった紙で、どのような印刷や加工が良いかというふうに仕様を決めていきます。 Prince Hotel Shinagawa Pamphlet / A Wonderful First stitch のコンセプトにもとづき、布のような紙にミシン綴じでステッチを施した これから先、紙媒体は少なくなっていき、10年後には、逆に雑誌などは希少価値が付いてくるのではないかと、私は考えています。デジタルへの移行で、紙媒体自体の数が 減少するというのもありますが、それに伴い、特殊紙など資材の製造の減少や糸かがりなどの製本技術の衰退により、これまでのようにつくることが難しくなっていき、紙媒体は貴重になってゆくのではないでしょうか。 だからこそ、繋がりが希薄になりがちなデジタル社会にお いて、紙媒体は効果を発揮します。 一昔前のように、好きなブランドのカタログやDMを大切に取っておく、そんな時代がまた巡ってくるのではないかと思っています。

24/1/20

デザインの力とは。

福岡県立美術館で開催されている「新たな髙島野十郎展」のツール制作に携わらせていただきました。Ckd Creative Studio では、ポスター・フライヤーをはじめ、招待券・チケット、外看板・館内天吊り幕、ポストカード袋、そして、展示内の挨拶パネルから作品パネルまで、全体の制作を行なっています。 初回の打ち合わせでは、クライアントである 福岡県立美術館 さんから、今回新たに見つかった作品や代表作をポスターやフライヤーに使用できたらとのお話でした。また、画家 髙島野十郎は、ご年配の方にはよく知られていて人気もあるが若者にはまだ知られていないので、もっと若者に知ってもらいたい、これまでの王道なデザインではなく若者が興味を引くようなデザインにできたらとのことでした。その打ち合わせでは、学芸員長から、画家 髙島野十郎について、福岡 久留米出身であること、東京帝大を首席で卒業したにも関わらず絵画の道へ進み独学で絵画を学んだこと、画壇にも入らず生涯独身で孤高の画家と呼ばれたこと、仏教に傾向し作品にもその影響が見てとれること、そして、没後、福岡県立美術館が初めて画家 髙島野十郎の画業に光を当て今日評価されるようになったことなどのお話があり、デザイナーも私もその作品の魅力と野十郎という人間にとても興味を引かれたのでした。 ポスターのデザイン提案当日、 福岡県立美術館 さんへ出向き、私たちは新たに見つかった作品や代表作ではなく髙島野十郎の自画像を起用したデザインをポスター大に出力し提案しました。一瞬、空気が止まった後、「これで行きましょう!」とのクライアントさんの声。 提案に際して、初回の打ち合わせ後 色々とデザインを試す中でなかなかインパクトのあるものが見つからない、髙島野十郎を知らない人がポスターを見て、行ってみたいと興味を引く印象的なものとは..そうして、自分たちが一番興味を引かれた自画像の一枚を起用することにしたのでした。 その後、 福岡県立美術館 さんから「ポスター原案を見せていただき、展覧会に向けて心がギアー・アップされました」と嬉しいメールが。それからは、ぐんと波にのり、 福岡県立美術館 さんと一緒に制作を進めて行きました。私たちのデザインや提案を尊重いただき、またそこから新しいアイディアを県美さんからいただいたりとわくわくしながら、制作をしました。 自画像の起用に合わせ展覧会タイトルを強調しようという県美さんの意見のもと 展 の文字をシルバーの特色に。 福岡県立美術館さんからの提案で展覧会までの踊り場に月を見上げる天吊り幕。 開催され、展覧会に行ってみると、そこには最初に髙島野十郎のあの自画像が。あーなんて素敵な動線なんだろうと思いながら、野十郎の力強い作画を拝見しました。展覧会には、フライヤーを見てこれは絶対行こうと広島から来館された方やInstagramでポスターを見て行ってみたら野十郎の作品に感動した!とアップされていたり若い方にも来館いただいているようで、福岡県立美術館さんからデザインが見る人の心に届いたようです、とお言葉をいただきました。 「デザインの力」は、見た人の気持ちを動かすと共に、クライアントの心を動かし、より良いものを作り上げていくパワーを持っていると思っています。そして、制作側とクライアントがわくわくしながらものを作れたとき、何かしらの結果がうまれるのだと思います。
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