Branding, Art Directon, Photo Direction, Graphic Design, Web Design
「jcocomo」は、現代のライフスタイルに合わせた漆器などをはじめ、漆塗りのプロダクトを展開するブランド。今回、その「jcocomo」のリ・ブランディングに携わった。第一弾として、ブランドイメージビジュアルの撮影、ブランドサイトのリニューアルを手掛けた。
打ち合わせでは、漆器というと晴れの日の器というイメージがあるが普段使いしてほしいという思いから、これまでカジュアルな雰囲気でビジュアル展開してきたが、それが雑貨感やチープな雰囲気に繋がっているような気がしており、ブランドイメージを一新したいというお話だった。またヒアリングを通して、今後の展望として海外進出を考えていること、漆の歴史、漆業界が抱える問題など、詳しく伺っていった。
お話を伺う中で、「jcocomo」の食器の型は、従来の和食器のものを使用しており、また漆塗りでは珍しいピンク色も、日本色をベースに調合されていることを知る。そして、クライアントのものづくりの中には、漆の魅力を広めると同時に、日本の文化やこころを伝えたいという思いがあることを感じた。
そこで、私たちは、リ・ブランディングにあたり、漆の歴史や食文化などリサーチを行った。
そしてリ・ブランディングの第一歩であるブランドイメージビジュアルの撮影にあたり、「奥行きのある世界観」を提案。これは、日本人のこころは、食事の作法の中で、礼儀や感謝の心を学び、また、季節に応じた器の装いを変えるなど、四季を通して感性を育んできたことから漆器の佇まいには、それらを纏った美しさがあると捉え、提案したものである。
撮影のビジュアル構成では、「jcocomo」の日本工芸を現代のライフスタイルに合わせたものづくりや、海外進出も踏まえ、いわゆるザ・日本的な画にするのではなく、海外のインテリアのような雰囲気を持たせつつも、日本的な凛としたうつくしい佇まいが感じられる画となるよう、配色や構図を考えていった。今回、撮影用の什器もオリジナルで制作をしている。
オフィシャルサイトでは、「jcocomo」の世界観をビジュアルでつくり、商品や漆について、また jcocomoの思いや取り組みについて詳しく掲載。特に漆については、一般知識や歴史とともに、クライアントから伺った話も盛り込んでいった。(意外にその分野にいると当たり前と思っていることが実は面白い話だったりする)また、これまでの雑貨感を払拭するため、これまで使用されていた「身近」という言葉を「普段使い」という言葉に置き換えていった。英語と日本語のバイリンガルとし、国内外へ漆の魅力を伝えられるような構成としている。
日本の伝統とクラフトマンシップが宿った漆器ブランド jcocomo のリ・ブランディング
クリエイティブディレクション:Ckd Creative Studio/アートディレクション:Ckd Creative Studio/WEBデザイン:Ckd Creative Studio/フォトグラファー:川崎一徳/プロップ制作:Planning & Design & Craft ZAG CRAFT/ライター/コモン編集室